28歳からのリアルジャニヲタ

大変申し訳ありませんが、ただいま自担しか見えておりません

色を無くしたオタクの行く末はバラ色の人生

気が付くと2023年の半分以上が過ぎてた。

色々あった。あり過ぎた。

 

ジャニオタとして2023年上半期は試されているのかと篩にかけられているのかと思うほど試練というか喜ぶことが出来ない案件が続いた。しんどいっすね。オタクしんどい。

アイドル特有の文化として担当カラーやテーマカラーが設定されていてオタクがそのカラーに身を染めることがよくある。かくいう私も全身ではないが身の回りの小物類はだいたいオレンジ色を選んでいた。しかし、今年の上半期はその担当カラーや7色のものを視界に入れることすら辛い時期が続きましてね、気が付いたらグレーやモノクロ仕様の私になっていました。まぁ、その辺りについてはまた別の機会に綴らせてください。

 

とりあえず今は自担関連ではない何か別のことに自分の目を向けないと精神的に良くない。とりあえず…休みの日に再放送していた相棒見る。

杉下右京と歴代の相棒たち、そして捜査一課に鑑識課。揃いも揃って全員キャラが濃い。亀山美和子も含めてキャラが濃い。そりゃシーズン20作以上続くドラマですから面白いんですよ。それで気が付いたら私は2代目相棒・神戸尊を演じる及川光博さんに心惹かれていた。ノーブルな雰囲気を纏う塩顔の男、神戸尊。

そして自軍のライブ告知が無く悶々とする日々に突然降ってきた「及川光博ワンマンショーライブツアー」の知らせ。福利厚生が手厚い、満足度が高い、多幸感に包まれると噂に聞くミッチーのライブである。しかも家から近い会場での公演がある。行ってみるか。フッ軽オタクである。

 

会場に着くと、まずファンがみんなめちゃめちゃ黄色い。今年のツアーテーマカラーが黄色という事は前もって知っていたが、想像を遥かに越えるほど黄色い。グッズ列もトイレ列も老いも若きも男も女もみんな黄色い。

席は2階席の後ろから3列目くらい。まぁ、初心者にはこの位でちょうど良いだろう。ファンクラブがあるんだから1階席前方に古参は集中してるだろうし。ゆっくりと見させていただくとする。開演5分ほど前に隣の席の女性が声をかけてくれた。

 

お隣さん「あの…けっこう踊りますか?私かなり踊ると思うので、邪魔しちゃったらすみません💦」

私「いえいえ、私は今日が初めてなので全然踊れないです!気にせず踊ってください!」

お隣さん「初めて!?それはそれはようこそ!」

 

めちゃめちゃ歓迎された。その後もこのお姉さんはちょくちょく必要な情報を私に教えてくれた。お名前聞いておけば良かったな…と後悔するほど優しい方でした。

まぁ踊るっつっても手振りちょっとやるくらいだろうな、と高を括っていた。

 

そして開演。このツアーの主役、及川光博が出てきた。その瞬間に私の語彙力は奪われた。や、や、や、やば〜〜ま、ま、ま、眩しい〜✨✨笑顔がキラキラ〜✨✨✨なんだこのオーラは!後光が差してるじゃん!!(それは照明)

 

そして隣のお姉さんはというと、めちゃめちゃ踊ってた。お姉さん、めちゃめちゃ踊ってた。反対隣の男性もめちゃめちゃ踊ってた。両隣だけじゃない。会場の全員がめちゃめちゃ踊ってた。だから私も踊った。これでも幼少期からガチでバレエを習っていたタイプのオタクである。そして運動学も少し勉強したのである。ミッチーやダンサーを見たら何となく踊れる(気がする)(本当は踊れてなかったかもしれないが踊った感覚にはなった)。流石に細かい振付は知らないとこが多いがそういう時は光るタンバリン(公式グッズ)をシャンシャンして曲にノッてたら良いんだな。何となく掴んだ(しかし踊れてはいない)。曲はLINE MUSICでだいたい予習してきた。

 

た、た、た、楽しいぃぃぃぃぃぃぃ〜!!!!今年に入ってからこんなに楽しいことがあっただろうか、いや否である!楽しすぎる!なんだこれ〜!!!これがシャングリラか!!!桃源郷か〜!!!く〜!!!!やべぇ楽しいじゃん。

 

楽し〜!!!と思ってる間に数曲が終わりMCに入った。少し照明が暗くなり人の動きがなんとか見える中でミッチーが何かしてる。どうやらメイクを直している。髪型をチェックしてる。すご……。生バンドが居るとはいえ、これは及川光博ワンマンショーであり主役は及川光博ただ1人しかいない。1人しかいないのに、あの人メイク直してるよ。約1200人収容の会場内で。鋼の心臓。その間、お客さんは「ミッチー!」「かっこいい!!!」「大好き〜!!」と声をかけている。そして時々それに反応するミッチー。すごい…ステージ上に居る推しとコミュニケーション取れるんだ…。そりゃ見たら幸せになれるわ…。

MCでのミッチーは理知的でウィットに富んだお話をしていた(内容ちゃんと覚えていないが)。そして時々客席に問いかけて反応がきてコミュニケーションを取る。楽しいね。今回のツアータイトル『踊って!シャングリラ』という事でミッチーがベイベー(ミッチーの女性ファンの総称)に声を掛ける。

ミッチー「2階席ベイベー、シャングリラですか?!」

ベイベー「シャングリラでーーす!」

これがまた寸分の差もなくめちゃめちゃ揃ってるから凄い。こんな感じで後方から順に声を掛けチーム分けをするミッチー。

 

ミッチー「次、1階後ろベイベー…シンデレラですか?!」

ベイベー「シンデレラでーーす!!」

シンデレラかどうかは分からないがシャングリラの韻を踏んで声を掛けてくる。なるほど。この先の韻踏みが気になるところである。

 

ミッチー「次、1階真ん中ベイベー………

サイゼリヤですか?!」

ベイベー「サイゼリヤでーーーす!!」

そう来たか!!!

 

ミッチー「じゃあ最後、1階前ベイベー………」

 

ミッチー「…エビドリアですか?!」

 

ベイベー「エビドリアでーーーーーす!!!」

凄いぞ、シャングリラが最終的にエビドリアになったぞ。しかし、韻踏みはしっかり行ってる。この流れで各地公演でも内容を変えているのだから尚のこと凄い。

(ちなみに私が最初に行った公演の声がけはちゃんと覚えてないので上記は八王子公演のものである)

普段クールな顔してシャングリラの韻を踏めるものを探しているって考えたら面白いしちょっと愛おしい気持ちになった。お客さんを楽しませることに脳も体も全力である。

 

MCが終わり曲に入るとまたまたミッチーは歌いまくり踊りまくる。この人、本当に53歳なのかと疑いたくなるほど踊る。そして終わりにはビシッッッと決めたポーズが彫刻のように美しいのである。これはもう…バレエ「ドン・キホーテ」のバジルのポーズじゃん。バレエダンサーじゃんミッチー。

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その後、ミッチーご本人から「このポーズはね、熊川哲也のイメージね⭐️」と発言していて私の思想と合致した。嬉しい。とてもお似合いですミッチーさん。もっとお願いします。

ゴリゴリダンスナンバーにしっとりバラード曲パートを経て盛り上がる曲が終わったと思ったところでミッチーが舞台をはけていった。「ん、終わりか?アンコールするとこか?意外と短いなミッチーのライブ」と思ったら隣のお姉さんからアドバイス

お姉さん「今から休憩です!トイレに行くなら今です!」

ライブで休憩はさむの?!まさかの二部制?!ライブで休憩が入るなんて思いもよらなかったので開演前にお手洗いを済ませた私は自席で放心しながら一部のことを反芻した。楽しいな…と。そしてこれがこの後もう少し続くってことでしょ。期待しかない。

休憩中、何故か会場では久保田早紀の異邦人やゴダイゴガンダーラなどがBGMだった。この選曲に1人で少し笑ってしまった。

 

15分経過しBGMが変わった。

「ランランラーン🎶ランランラーン🎶」

まさかのフランダースの犬に合わせてミッチーが袖からスキップして登場。楽しそうである。

 

バックにいたバンドメンバーはおらずミッチーだけが出てきた。少し喋ったあとミッチーが掛け声を始めた。

ミッチー「それでは参りましょうこのコーナー、愛と哲学の小部」

ベイベー「屋ァーー!!」

ダチョウ倶楽部の如くベイベー達が両手を前に出しながら声を出したのでびっくりしてしまった。またしても揃い過ぎである。

 

“愛と哲学の小部屋”というコーナーが始まった。ロビーに置いてあった紙に記入する形式でベイベーからの相談や質問などを募っていたそう。

ミッチー「執事チエホフ!カモン!!」

 

執事がいるのか。黒いスーツに蝶ネクタイを着けた人の良さそうな男性が四角い大きな箱を抱えて出てきた。どうやらこの中にベイベーが書いた紙が入っていてミッチーがランダムに引いて書いてある内容について話す段取りらしい。改めて念のため言っておくがこれはアーティストのライブでの出来事である。

初めての事で何が起きているか自分の中で整理することにいっぱいいっぱいでこの時の質問内容もあまり記憶に残っていない。しかし、ミッチーがとても真摯に向き合って質問に回答していたことは記憶している。ここまでとても話が面白いエンターテイナーだと思っていたが、人柄もかなり印象が良い。ベイベーからの相談に真剣に答える姿を見ると、この人は53年の人生で色んな事と立ち向かい壁を乗り越えてきたのかと勝手ながらにヒシヒシと感じた。

愛と哲学の小部屋が終わるとまたバンドメンバーが出てきて歌い踊りまくるミッチーとベイベー達。いや、この一体感よ。ライブも後半になるとミッチーは汗だく。このまま倒れてしまわないか心配になるほど全力でパフォーマンスをしている。こんなに汗だくな53歳、見たことない。凄い。偽りなく輝いてる。元気を貰える。

アンコールでは『バラ色の人生』が披露された。私はこの曲が好きだ。煌びやかな情景を彷彿とさせるメロディ。超ロマンティック、恋のマジック、閃光のスコール、オリオンの三ツ星などアイドルのキラキラソングに登場してもたがわない歌詞。これこそショーというステージに相応しい曲である。そーりゃもうジャニオタしてきた私はこんな曲、大好きよ。「バラ色の人生はもうこの夜から始まる」って歌詞がこの日の私のことかと思ったわ…。色を無くしたオタクがバラ色の人生を浴びた日。それはこの数ヶ月沈み続けた私の気持ちを救ってくれた。やっぱり生でライブを見る聴く感じることって素敵なことでQOL向上のために私の生活には欠かせないものであると実感した。

アンコールが終わりバンドメンバーが1人ずつステージを去っていきセンターに1人ミッチーが残っている。そしてミッチーが口を開く。

ミッチー「両手を広げて」

ベイベーたち「🫲😆🫱」

ミッチー「遠隔ーーーハグッッッ」

「ギュッ!!」

傍から見たらミッチー含め会場の全員が己をハグしている状態ではあるが、これはミッチーとベイベー男子ひとりひとりが(遠隔で)ミッチーとハグをする儀式のようだった。遠隔ハグわずか5秒程ではあるがその間は誰も喋らずBGMが流れる中で各々がミッチーと(遠隔で)ハグをするとても大切な時間だった。バンドメンバーやダンサーもとても素敵な人達ばかりだがこれはみんなでワイワイ遊んでたのに帰り際2人きりになって静かになったタイミングでハグしてくれたような、そんな感覚である。これは…好きになってしまう…。だってミッチーとハグしたんだもん…(遠隔だけど)。そんなこんなでポヤポヤした脳みそになって私は帰路につくのであった。ハグの他に遠隔ボーリングや遠隔アーチェリー、遠隔真剣白刃取りなどがあり以下詳細は省略するがどれも楽しい。

 

ミッチー自身がライブのことを「生き様発表会」と称している。これが等身大の及川光博であり、ショーマンとしての及川光博、ミッチーなのであろう。職業ミッチー自称するだけある。私は今30代で40代が目の前にチラつく年齢ではあるが、例えば自分が50代に到達した時こんなに輝きを放ち周りの人を照らすような存在になれるか考えると途方もないことのようである。その輝きはミッチーのただならぬ努力と経験、能力が詰め込まれたものが作り上げているのであろう。ただただ尊敬である。

 

簡潔に言うとミッチーのワンマンショーはとても楽しくて幸せそのものだった。おそらくアイドルのライブやミュージカル、演劇、ダンス公演が好きな人は見て損はしない。